サロン作りを学ぼう!小俣洋市の著書から | 株式会社ハートサービス

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  • 小俣洋市の著書より一部抜粋して
  • 21世紀のサロン作りのコツをお知らせします!

21世紀型繁盛は「文章表現力」がカギを握る。

ビジュアルでのコミュニケーション手段は、細かく分類すると映像表現、イメージ表現、そして文章表現があります。
しかし先ほども申し上げた通り、商売は利益を出すことが社会の存続意義です。
コストの問題を無視して実践に踏み切ることはできません。
湯水のごとく資金があれば別ですが、そんな企業は世の中のごくわずか。
特にTVコマーシャルや新聞、雑誌広告など多大なコストを要する媒体にお金がかけられない専門店展開のサロンは映像表現での方法を頭の中から捨てたほうが賢明です。
残るは、「イメージ表現」「文章表現」。ここに的を絞ることが効率よい繁盛店をいち早く築く近道です。

 しかし集客とは、美しいモデルと一流のクリエーターを揃え、かっこいい「イメージ表現」の媒体でなければ目的を果たせないというものではありません。
極端に、自前でつくる手描きのチラシでも、集客設計がきちんと組み立てられている内容であれば
「もうこれ以上のお客様が来てしまうとパンクします!」というぐらいすさまじい結果を残すこともできます。

大切なのはどの媒体に広告を載せるか?ということではなく、その中身です。
中身とは、「伝え方」と「伝える内容」。
先ほども申し上げたように、少ないコストで最高のリターン(反応)を得ることを目的とするなら消費者、お客様とは映像表現、イメージ表現ではなく「文章表現」でのコミュニケーションにエネルギーを集約するべきです。

 しかし「文章表現」は個人の能力によって、メッセージの出来が違います。
だから発信した作品そのものの出来が集客に直接影響を及ぼします。
私がまだ駆け出しの頃、世の中には「コピーライター」という職業でなぜ飯が食っていけるのか?
不思議でしょうがない時期がありましたが、今は彼らに深い尊敬を抱きます。

 学生時代に現代国語や古典を友達にしていた方は、「文章表現力」の下地がかなり出来ています。
しかし今、第一線で舵取りをしている経営者のほとんどが、そんな基礎を身につけてはきませんでした。
受験対策で最重要視されるのは、数学であり英語でしたからね。

 余談ですがこの国の教育は「自国の言語」をどんどんダメにしています。
「国際化のうねりが加速しているのに、将来この国を背負う若者がその波に乗り遅れないよう小学校から英語教育を!」と声高らかに主張するのもわからないではないが、実際のところ教育現場においてはそれほど歓迎されてはいません。
 英語で話したり書いたりする前に、日本人は日本語で理解してからそれを英語に変換します。
日本語での理解力、表現力が乏しければ、当然英語でのコミュニケーションもギクシャクするのは明白で、そのいびつな英語力を海外に持っていっても笑われるだけです。
小さいうちから英語を身につけさせるなら、同時に日本語も余計に勉強させる時間が必要です。

 さて国民の日本語力が低下してしまった現代においてこそ「文章表現力」のスキルは、繁盛店作りの大きな武器になります。
売り手となる企業やお店側は、最初から「共感」のチャンネルで利用してくれる新規客を確保したほうが、その後の固定客化が非常にラクになるからです。
特に上質の固定客が安定した経営を約束してくれる、ヘアビジネスの世界では実際に集客作業を行う経営者、幹部クラスに絶対必要な能力といえます。
この点については私よりも、「お客様を集める研究会」の青木満先生のほうが、非常に高度な知識を持っておられます。
先生は私と違い、実際にサロンを経営し実践で身につけた高い「文章表現力」のスキルをもって繁盛店を経営しています。

 教師の世界でも「文章表現力」の優れた先生は、生徒の心を掴みやすいものです。
数学や理系の先生は生徒たちに変なニックネームをつけられことごとく人気がなかったけど、
国文系の先生はどこか尊敬の念を抱いていたのでは?
「文章表現力」の優れた先生は、会話の場面に使う「ことばの表現力」も、知らずのうちに高まっているからです。
 しかし学生時代ろくに国語なんて勉強してこなかったから・・・。とあきらめる必要はありません。
「文章表現力」はコツであり、意識すればいつでもどこでもトレーニングし、高めることが出来ます。
そして効率よく消費者に「教える」作業ができる力が身につくのです。



小俣洋市著
<お客が惚れる人気サロンの法則>より

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スタッフの幸せを願うなら「上質のお客様」を集めよう

ビジュアルでのコミュニケーション手段は、細かく分類すると映像表現、イメージ表現、そして文章表現があります。
しかし先ほども申し上げた通り、商売は利益を出すことが社会の存続意義です。
コストの問題を無視して実践に踏み切ることはできません。
湯水のごとく資金があれば別ですが、そんな企業は世の中のごくわずか。
特にTVコマーシャルや新聞、雑誌広告など多大なコストを要する媒体にお金がかけられない専門店展開のサロンは
映像表現での方法を頭の中から捨てたほうが賢明です。
残るは、「イメージ表現」「文章表現」。ここに的を絞ることが効率よい繁盛店をいち早く築く近道です。

 しかし集客とは、美しいモデルと一流のクリエーターを揃え、かっこいい「イメージ表現」の媒体でなければ目的を果たせないというものではありません。
極端に、自前でつくる手描きのチラシでも、集客設計がきちんと組み立てられている内容であれば
「もうこれ以上のお客様が来てしまうとパンクします!」というぐらいすさまじい結果を残すこともできます。

大切なのはどの媒体に広告を載せるか?ということではなく、その中身です。
中身とは、「伝え方」と「伝える内容」。
先ほども申し上げたように、少ないコストで最高のリターン(反応)を得ることを目的とするなら消費者、お客様とは映像表現、イメージ表現ではなく「文章表現」でのコミュニケーションにエネルギーを集約するべきです。

 しかし「文章表現」は個人の能力によって、メッセージの出来が違います。
だから発信した作品そのものの出来が集客に直接影響を及ぼします。
私がまだ駆け出しの頃、世の中には「コピーライター」という職業でなぜ飯が食っていけるのか?
不思議でしょうがない時期がありましたが、今は彼らに深い尊敬を抱きます。

 学生時代に現代国語や古典を友達にしていた方は、「文章表現力」の下地がかなり出来ています。
しかし今、第一線で舵取りをしている経営者のほとんどが、そんな基礎を身につけてはきませんでした。
受験対策で最重要視されるのは、数学であり英語でしたからね。

 余談ですがこの国の教育は「自国の言語」をどんどんダメにしています。
「国際化のうねりが加速しているのに、将来この国を背負う若者がその波に乗り遅れないよう小学校から英語教育を!」と
声高らかに主張するのもわからないではないが、実際のところ教育現場においてはそれほど歓迎されてはいません。
 英語で話したり書いたりする前に、日本人は日本語で理解してからそれを英語に変換します。
日本語での理解力、表現力が乏しければ、当然英語でのコミュニケーションもギクシャクするのは明白で、そのいびつな英語力を海外に持っていっても笑われるだけです。
小さいうちから英語を身につけさせるなら、同時に日本語も余計に勉強させる時間が必要です。

 さて国民の日本語力が低下してしまった現代においてこそ「文章表現力」のスキルは、繁盛店作りの大きな武器になります。
売り手となる企業やお店側は、最初から「共感」のチャンネルで利用してくれる新規客を確保したほうが、その後の固定客化が非常にラクになるからです。
特に上質の固定客が安定した経営を約束してくれる、ヘアビジネスの世界では実際に集客作業を行う経営者、幹部クラスに絶対必要な能力といえます。
この点については私よりも、「お客様を集める研究会」の青木満先生のほうが、非常に高度な知識を持っておられます。
先生は私と違い、実際にサロンを経営し実践で身につけた高い「文章表現力」のスキルをもって繁盛店を経営しています。

 教師の世界でも「文章表現力」の優れた先生は、生徒の心を掴みやすいものです。
数学や理系の先生は生徒たちに変なニックネームをつけられことごとく人気がなかったけど、国文系の先生はどこか尊敬の念を抱いていたのでは?
「文章表現力」の優れた先生は、会話の場面に使う「ことばの表現力」も、知らずのうちに高まっているからです。
 しかし学生時代ろくに国語なんて勉強してこなかったから・・・。とあきらめる必要はありません。
「文章表現力」はコツであり、意識すればいつでもどこでもトレーニングし、高めることが出来ます。
そして効率よく消費者に「教える」作業ができる力が身につくのです。



小俣洋市著
<お客が惚れる人気サロンの法則>より

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自分の「弱み」が「強み」になる!

繁盛店はどんな形でも作ることが可能です。
郊外の集客しやすい立地にどうしても移転しなければ「人気のお店」が作れないかというとそんなことはありません。
スタッフを大勢雇える器の大型店でなければ、繁盛店になれないか?そんなことは全くありません。

 一人しかいないサロンでも、周りに人家のない偏狭の地でも、売り物がひとつしかないお店でもお客様が集まる仕組みを作ることができるのです。

 自分の立場を正直に伝えることによって、自分の「弱み」を逆に「売り」にできるからです。
まずは次項の広告物の文章に目を向けてみてください。

 このサロンさんは国道沿いにこそ面しているけど、その周り一体は海岸の砂防林に囲まれ、一番近い集落に行くにも1キロ以上あります。
常識で考えれば、「こんな場所に店を出すなんて気が狂ったとしか思えない」というところでしょう。
周りからも反対されたようですが、サーフィンの好きなオーナーさんのこだわりで、朝一番の波に乗ってから仕事をしたい夢を、思い切りよく実現してしまったのです。

 誰が想像するまでもなく、お店を訪れるお客様は数えるほどで、次第に運転資金も底をついてきました。
「さあ!困った・・。」と真剣に考え始めた頃、ネットのホームページを通じて私のところに連絡を頂いたのです。

 さすがに私も彼のお店の立地を見て、「普通で考えれば自殺行為ですよ!これは!」と唸りました。
傍らには彼の奥さんと、幼稚園にあがったばかりの可愛いお子さんが・・・。
「でも!大丈夫!それを強みに変えていくことで、お客さんはたくさん集まるんですよ!」と、
そこから数日を経て作った、一回目の広告が前項の内容でした。

 彼は立地の悪い場所にお店を作ってしまったことを(自分で蒔いた種なのですが)その頃になって、
自分の欠点と感じるようになってしまったのです。
大好きなサーフィンしている最中も、「そんなことをしている場合じゃないぞ。」と、不安を抱きはじめ
生き方全体に楽しさと自信を感じなくなってしまったのです。

 欠点=弱みは、隠そうとすればするほど魔法の呪縛にかかったように、自分自身を身動きできなくさせてしまいます。
「オレってだめな男だな・・・。」という思いをさらに増幅させ、本当にその人を、そのお店をダメにしてしまいます。
しかし自身がコンプレックスに感じるその部分を潔く「正直に伝える」ことで、その欠点を強みに変えられます。
21世紀は「共感で売り手と買い手が繋がる」の時代だからです。

 モノあまりの環境に慣れすぎた消費者は、自己のライフスタイルに「思い」を抱きはじめました。
その思いと、売り手の大切にしている「思い」が一致することで初めて商品が動くのです。
だから自身から見れば、恥ずかしさのあまり隠したい部分、周りと比較されると劣る部分を、正直に伝えることで、それが消費者の共感さえつかむことができるのです。
無理に隠す必要はありません。隠そうとすると余計に消費者は「うさん臭く」感じます。

 昔、栄華を誇った老舗といわれるサロンはゴースト化した商店街に存在していたり、駅前の狭い場所で駐車場も確保できない場所に立地しているお店が多いですね。
例外なくそういうお店のオーナーさんは、動かすに動かせないそんな状況を「お店の弱点」と思い込んでいます。
その弱点をお店の強みに変えることができるのです。
次の広告物の文面をご覧いただければ、よく理解いただけるでしょう。
正直に伝えることで弱点を強みに変えられること。
この方法は何も小型店にしか通用しないかというと、そんなことは全くありません。

 例えばチェーン展開の大型サロンでも実践できます。
大型店の泣き所のひとつ、スタッフのサービスレベルの不均衡について例に挙げて見ましょう。
一年生からベテランのトップスタイリストまで、店内でのサービス提供、技術提供にはどうしてもバラつきが出ます。
経営側はそれをあえて表に公表してしまうと、競合店との戦いに勝ち抜けないと判断し、伝えようとしません。
しかしその呪縛はお店全体をどんどん悪いほうへ追い込んでしまいます。

 お客様はあらかじめ予備知識として周知していることであれば、実際にその場面に遭遇しても
ほとんど期待感を失うことはありません。
しかし、きらびやかな広告に美辞麗句でさんざん釣り上げておいて、実際利用してみたら
書いてあることとずいぶん違うとしたら、期待感が粉々に打ち砕かれるどころか、怒りさえを持ち帰ってしまいます。

 正直に自分の「泣き所」と思うことをあらかじめ伝えておくこと。これほど気持ちが落ち着く商売はありません。
ただし大型店の場合はその「正直さ」を貫き通すこと。
あの部分は「正直」に伝えて、この「部分」はフタをしておけ!では、
社内全体の方向性が統一しないため、いつまで経っても「ホンモノの繁盛店」は作れません。



小俣洋市著
<お客が惚れる人気サロンの法則>より

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儲ける前にウソをついてはいけない!

固定客・生涯客がどんどん育つサロン作り、その方法を教える前に、まず伝えておかねばいけないことがあります。
それをあるサロンの朝礼で再現してみましょう。


店長    「今うちの店は大変な状況です。もっとみんなにがんばってもらわないと、
       競合店に勝つことはできません。
       今月入ってきた新しい薬剤でパーマのコストを落とそうと思っています。
       今日のお客様から順次使用して行ってください。」

スタッフA 「でも店長、うちのパーマはコストが高いけど、髪を傷めないのがウリでお客様に
       紹介しているのに、それはできないでしょ。」

店長    「理想はそうしたいところだけど、現実に利益を出さなければいけないわけですから。
       このことはオーナーも了解済みです。」

スタッフB 「そんなことをするとお客様を裏切ることになりませんか?」

店長    「もう決定したことですから、つべこべ言わずにやりなさい!」


 法令順守=コンプライアンスの徹底と同じく、お店の裏側をいかに透明にしていくかが、
これから事業を成功させていくための土台です。
その点で推し量ると、このサロンは全く逆の方向に向かっているということになります。
商売を行う上で、今までは監督官庁の顔色だけ窺い、睨まれないよう気をつけていればよかったものが、
今はそれ以外の「目」が、企業やお店を監督しています。
「消費者の目」そして身内の「スタッフの目」が光っているのです。

 「人の健康と地球環境を守ります!」と社会に貢献しているような広告を出しながら製造工程で発生する産業廃棄物を違法に捨てていたのでは、やがてそのウソは必ず社会に露呈します。
無農薬の国産有機栽培と銘打ちながら、今年は不作だったと輸入物を混ぜて販売したら、そのウソは確実に陽にさらされます。
髪を傷めない薬剤を使用していますといいながら、コスト削減のために代替商品を使用するヘアサロンももちろん。
もはや「見つからなければなにをやっていてもいい」という時代ではなくなりました。

 朝礼を終えた店の中で、言われたとおり作業を行うスタッフはその後どういう行動を取るでしょう?
お客様   「ここのパーマは傷まないらしいわね!」
スタッフ  「ええ・・・。まあ・・。」

お客様   「他の店のパーマとどう違うの?」
スタッフ  「そうですね・・・。薬剤の点でしょうか・・・。」

 自信を持って使ってきたこれまでの薬剤なら説明ができるものを、今はしどろもどろに・・・。
すっかりプロとしての自覚とモラルを失ったスタッフは、家のパソコンの前に座ります。
「実は・・・。」と自分の考え方と、店の方向性のギャップに疑問を感じたことをネットの掲示板に吐露します。

 またお客様が素直に感じたことを、直接掲示板に書き込まれる場合もあります。

 「ちょっと聞いてください。この前行ったヘアサロンなんですが、傷みが少ない薬剤を使うといいながらなんか他のもの使っているみたいですよ!」
と、こうして店の裏側の行為がいとも簡単に、世間の衆目にさらされることになります。

 建築偽装事件、証券取引法違反、官民談合事件、リコール隠しなど、毎日のように新聞紙面を賑わし
重役たちがTVで「誠に申し訳ありません」と頭を下げる企業の不祥事。
実はそのほとんどが、内部告発や消費者からの情報が事の発端です。
馴れ合いの時代に引きずってきた、膿や習慣はどこにでもあるものです。
各業界ともこれから数年、その膿が一気に噴出します。

 世の中が「そのくらいいいだろ!」という寛容性を持たなくなった今、謙虚に自分たちのやっていることを見直し、世の中に胸を張れない過去の習慣を改善していく努力は、これから繁盛を目指すうえで欠かすことのできない作業になりました。
監視の目が増えたからそれを行うのでなく、胸を張って「正直にやっています!」と言い切れる勇気に人は集まります。
お客様もスタッフも!

 いいお客様と長くお付き合いがしたい。良いスタッフに恵まれたいと思うなら、今のうちに「正直なサロン作り」ができる環境と姿勢をまず作っておきましょう。
それができなければ、これからお伝えする「ホンモノの繁盛店作りの方法」は、小手先だけの底の浅いテクニックになってしまいますからね。



小俣洋市著
<お客が惚れる人気サロンの法則>より

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サービスを提供する、その中身の違い

 サービスという単語は、集客を語る上で大切なキーワードであるが、その中身は多岐に渡ります。

 接客・特典・利便性・価格・付加価値・情報提供・品揃え・定時性・アフターフォローなど、すべてにおいて「サービス」という単語で括られています。
しかし、お店作りの方向性に当てはめると、これらのサービスの提供の仕方が違います。
マーケティングの功罪を知った後で、そのことをきちんと把握しておきましょう。

 まず大規模な事業展開、多店舗展開やフランチャイズに求められるサービスの基本は「スタンダードサービス」です。
「それってなに?」と思い悩む方にちょうど良い例に遭遇したので、その場面を例にして見ることにします。

 わが社のスタッフが目的地に向かうため、JRを利用した際どの経路で乗り継げばよいのかわからず、
車掌さんに尋ねたところ実に丁寧に教えてくれたそうです。
尋ねた彼いわく、
「ひとつの目的地に向かうにはこんな経路があると、いくつも教えてくれた上最短のルートと、
割安でいけるルートをわざわざ紹介してくれました。あの車掌さんの頭の中には、各地の路線が網羅されているんですね!」
と、しきりに感嘆していました。

 そんな話を聞いたある日、地方の講演先に向かうため、やはりJRの特別急行を利用しました。
ところが先の駅で信号機故障が発生し、電車が遅れてしまったのです。
東京駅で乗り換える新幹線の時刻が気になった私たちは、乗り合わせた担当車掌に様子を聞きに行きました。

 すると、
「定時には東京駅に着ける見込みですから、このまま乗られていたほうがいいですよ。」
すでに20分遅れで素人が推測しても「ギリギリに着けるかどうかで、乗り換え時間がきついですね。」という状況です。
先発の電車が詰まっているから、相変わらずのノロノロ運転に肝を潰した我々は再度、その車掌に尋ねました。
「どう見ても乗換えが間に合わないので、途中の新宿駅で降りて品川から新幹線に乗りたいと思うんですが、のぞみ十八号は品川に停車しますか?」私たちは次に帰ってきた言葉にあきれ果てました。
「のぞみ18号ですか?ちょっとここではわかりませんね・・・。」

 前回JRの車掌さんの対応が非常に良いと話していたばかりなのに、遭遇した場面がこんな状況です。

 大きな器でたくさんの従業員がお客様にサービスを提供する事業展開は、なによりもサービスの質にバラつきがあってはいけません。
どれだけサービスセンスに優れたスタッフが一人上質なおもてなしを提供しても、一方で標準以下のサービスをしているスタッフがいるのでは、消費者が受ける全体の企業評価は平均点以下になってしまいます。
だから個人のセンスにサービスの質をゆだねてはいけません。
無論個人の突出した上質のサービスを否定するものではないのですが、全体にある水準まで底上げがされていないと、上質のサービスが消されてしまうのです。

 だからまず、全社的に平均点が取れるよう、徹底的に各スタッフのサービスの足並みを揃えることが、
一番に必要な作業です。それが「スタンダードサービス」というもの。

 ではプロフェッショナルサービスとはどういうものか?
以前地域密着の食品店集客を担当したときに、経験した事例を持ちだして説明しましょう。

 山おろしの冷たい風が吹きすさぶ冬、その店の若いスタッフがお得意様からの注文を届けに出かけていきました。
程なくして帰ってくると、彼は店先でイベントとして来店客に振舞われていたトン汁を、容器に詰め何も言わずまた飛び出していったのです。
息を弾ませながら帰ってきた彼に、店主は一体どうしたのか尋ねたのです。

 すると
「お届けに行った田中さんが熱を出して寝ていたんですよ。玄関先へ出てくるのも大変そうで・・。
それでハッと気がついてトン汁を持っていってあげようと思って!」
一瞬怒られるのかと、しどろもどろになりながら説明を終えた彼に向かって、店主は

 「おまえ!よくやった!それでこそうちの人材だ!」と、彼の肩を抱き感激のあまり男泣きしました。
 「昨日は本当にありがとうございました。食事も作れず困っていたところでした。
 お宅のお店は本当にいい従業員さんがいらっしゃいますね!」
と翌日そのお客様から丁寧なお礼がきて、店主は2度泣きました。

 これが「プロフェッショナルサービス」というものです。
スタッフの感性が動くままに、お客様に対して今どのようにおもてなしを提供することが最善なのかを判断して行動するのです。
個人の感性を思う存分に発揮してお互い突出したサービスを極めればいいのです。

ここでもうひとつ問題になるのが、どの事業規模で「スタンダードサービス」と「プロフェッショナルサービス」のシフトチェンジをしなければいけないか?ということです。
集客の専門家としていろいろなケースを見て来た私が判断するには、マーケティングを活用する戦略であるなら、「スタンダードサービス」を極めるべきだし、それとは対極の戦略で行くなら「プロフェッショナルサービス」、すなわち突出したおもてなしをとことん極めればいいと断言できます。



小俣洋市著
<お客が惚れる人気サロンの法則>より

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